初恋前夜

 なるほどなるほど……、まさにこれだ。毎晩執筆している間にうつらうつら寝てしまうこともある。前頭葉の半覚醒状態。眠りは間違いなく浅い。それに、見たい夢は維持しまくってる。ひたすらゆずきのことを考えてるんだから。
 条件がばっちり合致してる!
 つまりこれはME・I・SE・KI・MU★!
 そうだ、そうなんだ。僕のゆずきへの思いが強すぎて、夢の中の彼女がリアリティマックスの状態で現れたんだ。
 だったら、夢から目覚めれば現実に戻るはず!
 さっきゆずきには冷たい態度をとってしまった。もうこの夢では彼女に顔向けできない。一度目覚めてやり直そう。うん、そうしよう。
 そう結論づけて無理やり気持ちを切り替えた。
 ――で、どうすれば目が覚める?
 夢から意識的に目覚める方法なんてあるんだろうか。
 僕は再びスマホで検索した。