湧き水のように、書きたい気持ちがどんどん溢れ出してくる。
 ゆずき、
 ゆずき、
 ゆずき――。
 僕は一心不乱でキーボードを打った。
 そうして、いったい何時間経っただろうか。
 執筆中にまどろむ中、昨夜の夢の続きを見た。

*     *     *

 ゆったり流れる川のせせらぎ。
 そこに射す光が、細かく砕けてチラチラ散った。
 輝く水面に包まれた彼女は腕を開いて指先を伸ばし、からだを反転させる。
 まるで、水の上で踊る妖精のように。
 背中まである彼女の髪が、風に吹かれて揺れ、日に透けてきらめいた。
「ゆず」