「ゆず」
 彼女を見つめた。
 ゆずきは静かに僕の言葉を待つ。
 僕は思いきって声を振りしぼる。

「僕は、ゆずきのことが好きだ――」

 風にそよぐ髪と、差し込む柔らかな光。
 この光景を、これから先もこの目に永遠に焼きつけておきたい。
 彼女は胸に手を当て、瞳を潤ませた。
「コウくん……わたし、」
 ゆずきが胸の内を口にしようとしたとき――