川村とは 何も話さないまま

年末年始の 休暇に入った。


俺は 久しぶりに 帰省して

賑やかな お正月を過ごした。


年明け 川村に会うと 表情が冴えなくて。

あの後 早苗と 仲直りしてないのか…


チラッと 見かけた早苗は

相変わらず 表情が読めないけど。


一瞬 俺と 目が合うと 早苗は 

恥ずかしそうに 口角を上げた。




「寺内。今日 飲みに行こうよ。」

川村から 誘われたのは 1月の終わり。

「ああ?うん。いいけど?」

俺は 川村の表情から 何かを感じた。

「何かあったの?」

「後で ゆっくり話すよ。」


川村は 気分が顔に出るけど。

早苗は いつも通り 淡々としているから。


川村が 早苗と何かあったのか

早苗の表情から 探ることは できなかった。