『池尻大橋の駅にいます。今から 会えますか?』

早苗からの メッセージに 俺は驚く。

『どうしたの?川村は?』

ラインを返しながら 俺は すぐに靴を履いていた。

『さっき 別れて。帰る途中で 降りてしまいました。』


こんな時間に  ” 降りてしまいました ” って。

だいいち 早苗の家とは 路線が違うだろう…

『西口の前の カフェにいて。すぐ行くから。』

9時過ぎの 寒空に 1人でにいる早苗を思い。

『ごめんなさい』


俺は 部屋を出て 駆け出した。


どうして 早苗は 俺を呼び出した?

川村とは 食事をしただけで 別れたのか?


川村は 今頃 落ち込んでいるだろう…


アパートから 駅まで 10分ちょっと。

俺が カフェのドアを開けると

隅のテーブルに 早苗は ポツンと座っていた。


「どうしたの?」

少し 荒い息で 俺が聞くと

「ごめんなさい。また 迷惑かけちゃって。」

早苗は 俯いて 小さく言う。

「そんなこと いいけどさ。今日は デートじゃないの?」

「……」

「川村と 何かあったの?」

「私達 もう 駄目かもしれない。」