季節は どんどん深まって

街は クリスマスムードになっていた。


仕事は順調で 俺は 少しずつ 評価を上げていた。

反対に 川村は スランプ気味で

思うような成果が 出ていなかった。


「あーあ。なんか 全部が うまくいかないなぁ。」

川村は 俺に ポツリと愚痴をこぼす。

「どうしたんだよ。川村らしくないなぁ。」

「どこ回っても 軽くあしらわれて。俺の話しなんか 聞いても もらえないよ。」

「そういう時も あるだろう。」

「寺内は いいよな。ちゃんと 結果を出してるから。」

「俺と川村は タイプが違うから。仕方ないよ。俺は 川村みたいな 一発逆転は できないからさ。」

「それに最近 早苗とも ギクシャクしてるし。」

「川村 急ぎ過ぎるんじゃない?」

「俺 せっかちだから。じっくりとか 苦手なんだよ。」


俺は 川村と早苗が 

まだ 結ばれてないことに 救われていた。


「もうすぐ クリスマスだろう。頑張れよ。」


それなのに 俺は 川村を 応援していた。