その時点で写真確認は諦めて、フレンチトーストに入刀し、お皿に盛り付けて三原君に渡した。
ふわっとろっとしたフレンチトーストとチョコがかかったアイスとバナナを崩しながら一緒に食べると、優しい甘さが口いっぱいに広がって頬が自然と緩んだ。
「美味しいね」
「旨い!」
ほぼ同時に言って顔を見合わせて頷き合った。
しばらくして食事が落ち着いた頃、三原君が不意に口を開いた。
「そういえば、就活とか卒論はどうですか?」
私はお水が入ったグラスに口をつけながら、どう返そうかと言葉を探した。
「沢田さん、もうすぐ卒業ですもんね」
「うん。卒論は、少しずつ書いてるかな。就活は、順調とは言えないかも。来年は、一体どこにいて何をしているんだろうって感じ。企業説明会とかに出たりもしてるけど、自分の軸がみえなくて答えが出せないんだ」
あまりうまく答えられない自分がもどかしくて、話をどこか違う方向へ持っていきたくなった。
