微かに吹いた風が、私のセミロングの髪の毛を靡かせる。
少し間があいて三原君が声にした言葉は、想像していた内容とは違っていて、私はホッとして体から力が抜けた。
「お腹空きません?さっき、カキ氷は食べたけど夕食まだですし」
さっきの真剣な表情、告白されちゃうのかと思った。自分の自意識過剰さに呆れた。
「そうだね。お腹へっちゃった」
「じゃあ、駅の近くにパスタとかフレンチトーストとかが美味しいカフェがあるんで、どうですか?」
「いいね!そこ行ってみたい」
「じゃあいきましょう!」
そうして私たちは公園をあとにして、再びお祭りの通りを歩いてカフェに向かった。
カフェは大通りから外れた一本中道にあって、30席くらいの店内だった。
テーブルの他にカウンターやソファー席もあって、私たちはソファー席に案内された。
