「お邪魔しまーす」


私がそう口にすると三原君が穏やかに笑って、あとに続いて入ってきた。


「本当に家みたいですね。お邪魔します」


私たちは、テーブルを挟んで向かい合って座った。


「不思議な場所ですね」


三原君は呟いて、低い天井を見上げた。


「俺、この公園気に入ったかもしれないです」

「うん。面白いところにたどり着いたね」


園内には、私たち以外人気はなくて、小鳥のさえずりと蝉の鳴き声が響いてる。

視線を感じて前を見ると、三原君と視線が重なった。

真っ直ぐとした黒色の目が見つめてる。

私は躊躇して、次の瞬間顔を逸らした。

三原君が口を開こうとしたのに気づかない振りをして外に出た。


「さん...」

「そろそろいこっか!」

「沢田さん」


三原君の呼び止めるかのような声を聞いて、私は迷いながらも振り向いた。