興味津々に画面を覗き込んでいると三原君が笑い出した。

「え、どうして笑うのぉ?」

「そんなに感動してもらえるなんて嬉しいです。ありがとうございます」

「だって、本当に凄いんだもん」


ミニチュア好きだからか、余計に感動してしまうんだ。


「これでも一応、中3の時にプラモデルコンテストで入賞したことがあるんです」

「そうなの!?」

「はい。ちなみにこれがその時の作品です」


次に写真は、表彰式の時のもので、舞台上で三原君が賞状とトロフィーを持って立っていて、後ろの大スクリーンにはプラモデルが映っていた。


「三原君ってクリエイティブだね!」

「お洒落な言い方してくれるんですね」


大学にいる時には知らなかった一面が垣間見れた。

私たちは、商店街の途中にある角を曲がって住宅街へと出た。

さっきまでの喧騒が嘘みたいに急に静かな空間に包まれた。


「私さ、こういった知らない土地の住宅街をぶらぶら歩くのが好きなんだ。変わってるでしょ?」


「実は俺も好きなんです。その場所特有の生活の香りがする気がして」


「そうそう!特別何があるってわけじゃなくてもなんか楽しいの」


「すごい、わかります」


三原君は頷いてから、「じゃあ」と言って空を指差した。