こんにちは、ーー。

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「ほんと、大事なくてよかった。私、あんたのこと殺しちゃうんじゃないかって、怖かったのよ」


「もー、あの時は私も殺されるかと思ったよ!ナツキ、鬼みたいだった!」





私とナツキは笑い合う。

仲良しだもんね。私たち。




「ナツキって、俺のことが好きで好きでしかたなくてアオイをボコボコにしたんだって?
 
 ほーーーんと、俺のこと大好きだよなあ」




ユウキが茶化すと、ナツキはリンゴみたいに真っ赤になる。

可愛くて面白いなあ。ナツキは。



「ば、バッカじゃないの!アンタがフラフラしてんのが悪いのよ!このタラシ!」


「痛ってぇ、うわーーーん!暴力彼女じゃああん!!」


「うるさい!」



ナツキはユウキと付き合うことになったんだって。

幸せそうに私に報告してきたナツキは本当に可愛かった。

前までの私なら、辛くて泣いてただろうけど……もう、応援するって決めたから。




「……あ、そうだ。これ見てよ」



私はカバンの中から一枚のチラシを取り出す。



「ほらこれ見て『市民ダンスフェスタ』だって、名前はちょっとダサいけど、有名なダンサーの人とか来るらしいよ。高校生の部だと、豪華商品が当たるんだって」



ナツキは大会とかフェスとかそういうのが好き。お祭り騒ぎが好きなんだ。

だから目を輝かせて話を聞いてくれる。



「いいじゃん!じゃあ、三人でやろうよ!」

「でもさー、練習するとこがないぞ?公民館とか借りるのか?」

「そんなの、学校の“大広間”でいいじゃん。鏡でかいし、タダだし」

「あー、たしかに」




ユウキとナツキで勝手に話を進めてくれるから、それをただただ眺める。

話が進んで、今日から大広間での練習を始めることになった。



「じゃあ、放課後集合ね。わたしから先生に許可とっといてあげる」



やっぱり、ナツキは頼りになるなあ。

取り残された私とユウキは、教室で今後の予定を話し合うことにした。





「本番まで時間がないから、遅くまで残ってやらなきゃいけないよね」


「そうだね。夜になっちゃうかもね」


青春だなーって、向かい合いながらクスクス笑い合う。











「また”仲間“が増えるね」


「ね。楽しみだね」



”私“と“ユウキ”は歯をむき出しにして笑い合った。