どれでもいい この中にある星を
一緒に壊しに行こうよ
と 冬の星座を描いた

いつにする?

君は 返事はくれず
彼方から それだけを私に伝えた

手をつないで 星を探しに出かけたら
遠くの道で 何かが青々と光っていた

手を伸ばしてみても届かないのは
私たちが 対極の道を進んでいたから

二人がつないだ手は 磁石のようで
引き離そうとしても 強い引力が
私たちを結びつける

もう一つの伸ばした手は
遥かな時空を駆けて ようやく
青く煌めく石を拾った

その瞬間に 私たちは離れ離れになる

石を掴もうと伸びた腕は
それぞれの方角を目指して 伸びきって
やがて 体が ちぎれたから

強く結ばれた手だけが 重力もない
色もない空間に 浮遊して残った

右手のない私は
南の星を左手で抱いて 見守ることにした
左手のない君は
北の星を右手で握り潰して
粉々にしてしまった

約束を守らなかったのは私で
手紙をくれなかったのは君だ

上っ面だけの 綺麗事みたいな夢
そんなものを約束だなんて 私
忘れようとしてる

一人で大人になったわ
君のいない星は あの道に落ちていた
きらきら輝く 空っぽの青い石

私は一人きりで ここで
世界がまた始まるのを待つよ
返事はいらない