キュキュッ バシン!!
  キュキュキュッ 「〜〜〜〜〜!!」
「〜〜〜〜!!」
シューズのこすれる音 監督や選手たちの声
ボールの跳ねる音
綾は体育館のギャラリーからバレー部の
練習風景を見ていた。
もちろんマネージャーなどではない
さっきのメール相手には
 「わかった」
ただそれだけを返しておいた。
綾は皆頑張るなーなんて呑気なことを
考えながら見ていた。
「休憩!」
練習の中一際目立つ大きな声をだすのは
さっきのメールの送り主

竜であった。

男子バレーボール部で主将を務める彼は
確か、ミドルブロッカーといっただろうか。
生憎バレーには詳しい訳では無いので
薄くしかルールは知らないが
彼に教えてもらったのは「ミドルブロッカーは一番カッコイイやつだ!」
だった。
自分のポジションに誇りを持って
いるのだろう。
毎日楽しそうにバレーの話をする
私に言ってもよく分からないが
本人は楽しそうなので,よしとしよう。
しばらくすると、
「「「ありがとうございました!!」」」
ちょうど終わったのだろう。
綾はギャラリーから降り、
校門で待っていた。
「あーやー!!」
大きく手を振りながら走ってくる
彼こそが竜である。
「お疲れ様」
そう一言だけ残す。
「今日ね!!」
先程の真剣な顔とは打って変わって
子供のように満面の笑みで話す彼
綾もその話を理解は出来なくても
しっかり聞いて微笑んでいる。
これが二人の下校風景だ。