親友の美琴ちゃんが、隣のクラスの男子と手を繋いで登校している姿が見えた。


「わ、私聞いてない!」

「いや、昨日の放課後に話してただろ」


くっ! 涼くん!
こういう時は空気を読んでよ!


「だってぇー、私ばっかり置いてけぼりなんて、嫌だもん……信じたくなかったぁ」

「おいおい、親友の幸せを1番に願えねぇのかよ」


美琴ちゃんと、その彼氏が仲良く手を繋いで登校している後ろ姿を見ながら、私と涼くんも学校へ向かう。