その時、大きな音が鳴る。空を見上げると、花火が消えていくところだった。

……そうだ。

「ねぇ、知ってた?この花火大会で上がる花火に、願い事をすると叶うって言われてるんだよ」

「……本当に?」

「うん」

……何て、嘘だけど。そんな話、聞いたことがない。本当に、叶うわけが無い。でも、今は深夜を元気づけることが優先だった。

「そっかぁ……」

その時、大きな花火が何個も上がる。

「ほら、願って!」

深夜に急かすように、俺は言った。

「う、うん!えっと……友達が出来ますように……」

へぇ……絵が上手くなりたい、とかじゃないんだね。叶うよ。絶対。俺がサポートするから。

俺は、花火に向かって微笑んだ。