「うん。分かってる」

深夜を見ると、少し不安そうな顔をしてた。俺は、そっと深夜の手に触れる。

「不安なら、手、繋ぐ?」

そう問いかけてみると、深夜は俺の手を掴んだ。……どうしたんだろ。大丈夫、かな……?

「……分かったよ。離さないからさ……俺がいるから、怖かったら、いつでも言ってね」

そう言って、俺は歩き始める。

「アイス売ってるよ。深夜、どうする?」

俺が問いかけても、深夜は答えない。振り向くと、深夜は震えていた。

「……本当に、大丈夫?」

心配になって問いかけると、深夜は首を縦に振る。でも、呼吸も乱れてる……。

俺は深夜を引っ張って、広場から離れた場所に移動して、階段に深夜を座らせた。

「……一旦落ち着こっか。怖くないからさ」

俺は深夜の隣に座って、深夜の背中を擦りながら声をかける。

「……ごめん。ごめん……」

「何で謝るの?気にしないで」

「……まだ朝陽にも話したことが無いことがあって……僕、人混みが苦手なんや。皆から僕の悪口を言われとる気がして……めっちゃ怖かった……」

「……そうだったんだ。話してくれてありがと」

俺が微笑むと、深夜はぼろぼろと泣き始めた。