碧の家に居候してからはや1ヶ月


「今日も行かねぇのか?」


「うん」


「柊優くんもみんな会いたがってんぞ」


「そのうちまた顔出すよ」

あれから、私はみんなの所に顔は出していない。
私がここにいることを知ってるのかどうかも、
碧から聞いてるわけじゃないから知らない。


碧はそれだけ聞くと家を出ていった。
着信がなり、相手を確認するとお母さん


「はぁ…」

深いため息をついて、出る決意をする



「はい」


「莉沙!!やっと繋がった!あんた今どこいるの!!」

「どこでもいいでしょ」


「良くないわよ!今すぐ帰ってきなさい!」


「帰らない」


あの家に私の居場所なんてもうない。



「帰るつもりがなくても1度寄るだけでいい。
荷物だって必要なものあるでしょ。取りにいらっしゃい」


その言葉に少し私の心は軽くなった。
お母さんから帰らなくていいという言葉を聞けたこと。
心の重荷がふっと取れた気がして


「わかった」