「悪ぃ、零。
俺らこれから飯行くからそろそろ落ちるな」


そう、この3人はリア友で私だけお互いの顔や
名前を知らない。
その距離感が今の私にはちょうど良かったのかもしれない。


「うん、分かった!楽しかったよ」


「俺も楽しかったでー!ほなまたなー」


「れいたんお疲れ様ー♪」



プツッその声とともに通話アプリは切れ
私はゲームを落とし電源を切った。



お昼前に起き、ゲームをして寝て…
これが、今の私の生活スタイルだった。




ブーッブーッ


ベッドに横になって少ししてから
3人の夜ご飯と思われる写真があのアプリの
トーク画面に届いた。



「ははっ」

届いた写真をみて私は笑いそのまま
アプリを落とし目を閉じた。




ーーガチャ


玄関のドアが開く音が聞こえ、お母さんが
家を出たことが分かった。
夜20時この時間になるとお母さんは
彼氏に逢いに行く。

私のお父さんは私が小さい頃離婚して
お母さん1人で育ててくれたのだ。


普通は感謝しなきゃいけないんだろうけど、
感謝などこれっぽっちも思っていない。

家族が一番の理解者、困った時必ず助けてくれるのが親
みんなそんなこと言うけど、私にとっての
親は理解者でも助けてくれる人でもない。

ましてや私に寄り添う、そんなこと今まで一切なかった。