「お前には俺がいること忘れんな。一志だって居る」

優しく笑ってそう言ってくれた柊優。
私の胸がぎゅっと熱く涙が零れそうになった。

そんなことを言ってくれる人は私の周りには
誰一人居なくて
ふと、バーズさん達のことを思い出した。


それから数分して、私は落ち着き
家まで柊優に送ってもらうことにして
その場を去った。


あの場所から家まで約30分
意外に近かったことを知り、バイクから
降ろしてもらい柊優にお礼言って家に入ろうとした時


「いつでも連絡しろよ?」

と優しく微笑みバイクに乗り柊優は
来た道を戻って行った。



ーーーガチャ

玄関に目をやると男の靴はなく、
安心すると玄関から真っ直ぐ行ったところに
リビングのドアがあり
そのドアが勢いよく開いてお母さんは
私を引っぱたいてきた。


「っいた!」


「あんた!電話くらいでなさい!!!
辰樹さんどれだけ心配したか分かってる?!」


恐らく辰樹(タツキ)さんはお母さんの彼氏の名前


「ごめんね、お母さん」


それだけ言うと私は2階に上がり
部屋に籠った。
久しぶりに通話アプリを開いて
トーク画面を開くと沢山のメッセージ。


数時間前にもバーズさんから連絡は届いていた。



【連絡ほしい、みんな心配してる】



心配、、、みんなごめんね。
だけど、もう私のことは忘れて欲しい。
みんなと一緒にいていいほど私は綺麗な人間でもない
貴方達といると、希望を持ってしまう。
なによりそれが私にとってとても怖い。


生きる意味を、存在意義を考えてしまう。








貴方達は私にとって光そのもの








その光を濁さないように、私はこの輪には入れない。





このアプリを消せば関係は断ち切れる。
だけど、それを出来ないでいる。
矛盾した私の気持ち。












また笑い合いたい。