「ま…まあまあ、今その話しても意味が無いしさ」

「そうだよー、ひろの言う通り!!」


「ほらな?坂本と佐倉もこう言ってくれてるし、
大目に見てくれよ」


「おいおい、柊優。それお前が言うなw」


「まあ、ご自由に」

それだけ言うと黒髪の男が部屋から出ようとすると
茶髪の男が黒川とかいう人に声を掛けた。


「碧!もう行くん?」


「あぁ。」


それだけ言うとまた部屋を出ようとするこの男に
私は立ち上がりムカついたから言ってやった。


「そこの黒髪!!私はここに来たくて来た訳でもない。
それと、これは一志くんにも言えることだけど、
柊優はナンパじゃない。」


そう、私たちは別にナンパで知り合った訳では無い。
それは私たち2人がよく分かってる。


「え、はっ??ナンパじゃなかったら…なに?」

「あー、まあ色々とな」


「ふーん、で?嫌なら初めからのこのこ付いてくんな。」


「もちろん、もうここに来ないよ。」


「お、おい!莉沙」


「黒川もそう突っかかるなよ」


「こいつらが、どう思おうが
あんたらが何言おうが俺はこいつと
仲良くする気はねぇよ」


「柊優くんも一志くんもごめんね、
最近ピリピリしてるって言うか、まあ
碧のことは俺らに任せて」

と茶髪の男が言うと3人は出ていった。



「なんつーか莉沙ちゃんごめんな。」


「なんで一志が謝んだよ、元は俺だろ?」


「私は大丈夫だよ。それより帰りたいんだけど」


そう言うと柊優が時間を確認する

携帯を開いて気付けばもう17時を過ぎていて
着信履歴、お母さんと知らない番号
きっとあの男の番号だと私は直感で感じた。


まだ、いるのかな
帰ったかな


考えていると私の心臓はドクドクと
早く脈を打つ。


「どうした?顔色悪ぃぞ?」


「うわ!まじじゃん!!
少し落ちつくまでここにいていいよ」


そんな優しい言葉に私は少しホッとして
携帯をしまおうとした時、私の着信がなった。


確認すると知らない番号


「莉沙ちゃん?出なくていいの?」


「あ、うん、平気」


明らかに動揺をしている私の様子を見て
柊優は私の頭を優しくポンポンとしてくれた。