「……え?」


なに…これ…、どういう事?


私は訳が分からなかった。
なんで柚里は血だらけになっているのか
なんで私は知らない男に抑えられているのか


「ふぅー、なんとか正気に戻ったみてぇだな」


「和真!柚里を家まで運んであげて」


「はあ?知らねぇよ、元はおめぇらの問題だろ?
後始末くらい自分らでしろ」


チッと舌打ちをしながらその和真と言う男は
この場から去っていき、奏美は私を睨みながら


「あんたどういうつもりよ!!」


拳に付いた血を見つめ、奏美に返事をした。


「知らない、じゃあね」

それだけいい私はその場を去ろうとしたら
奏美に腕を掴まれプルプル震えている奏美の手を振り払い


「触んな」

不思議と怖かったはずの私は正気に戻った今も
何一つ怖さなど感じられなかった。