「あんた耳無いわけ?その耳は飾りですかー?」


そんなこと言いながら柚里が私に近づいてきて

「何とか言えよ」

中学の時によく聞いた声
柚里の低い声で私を責め立てる。



ドクッドクッドクッドクッ


柚里は、私の胸ぐらを掴み睨んで来た


「ウザイからさっさと消えろよ」


「…離せクソ野郎」


自分自身驚くほどの低い声が出て
そこから私の口は閉じるということを
知らないかのように次から次言葉が出た。



いつの間にか恐怖心は無くなっていて
気付けばさっきまで座っていたはずの男が
私を必死に抑えていて目の前に居たはずの
柚里は奏美に庇われていた