神様にも祝詞 かみさまにものりと


私が自転車をこいでジンが後ろに乗った



蝉の声を聞きながら

坂道を風をきって下った



ジンの腕が私の腰のあたりにある


ドキ…ドキ…ドキ…ドキ…


この前のことを思い出す



「どこ行くの?」


ジンに聞いた



「どこでも…」



「行きたいところがあるんじゃなくて?」



「別に…」



「もぉ…ジン来るの早いから
何も準備できなかったよ
こんな格好じゃ、どこも行けないよ」


自転車をこぎながらジンに言った



「ただ…
オマエに会いたかった…」


後ろから、そぉ聞こえた



え…


ドキドキ…ドキドキ…


急に身体が熱くなった


胸の音が高鳴る


ドキドキ…ドキドキ…



ヤダ…

ジンに聞こえちゃうよ



ドキドキ…ドキドキ…ドキドキ…