桜の花弁が乱舞する暖かい春。

 君と出会ったあの教室が今では愛おしい。

 あの日もこんな風景だったなと青く澄み渡った空を見上げる。

 ザリザリザリと近づいてくる足音に気づき俺は後ろを振り向く。

 そこにはあの日の面影を残したままの君がいつになく真剣な顔で俺の目を真っ直ぐに見つめていた。