私の学校に七不思議はないけれど、1つ、他の学校にはないような怪談話がある。


サカ子さん。逆さのサカ子さん。


サカ子さんは放課後、旧校舎の3階に現れる。


まるで天井を床にしているみたいに上下逆さにくっついて、1人でいる生徒を見つけると追ってくるんだって。


そんなバカみたいな怪談話だけど私たち生徒は心のどこかで信じていて、放課後旧校舎には近寄らないんだ。


――でも。