君を見る度、戦慄が走る。



あの時の苦しみが、


悲しみが、痛みがよみがえる。



また、君を好きになりそうで、


想ってしまいそうで、


自分で自分が怖くなる。



お願い。



お願いだから視界に入らないで。


私の近くで声を出さないで。



また、頭に"君"のことが刻まれて、


どうにかなってしまいそうだよ。



あんなことはもうまっぴらだ。



思わせ振りに振り回されて、


絵空事を描いていた最中、


君を愛している人が隣にいて、


それを知ったとき、


何かが砕ける感じがした。



自分のちっぽけなプライドに、


小さな世界に、


少しずつひびが入って、壊れていって。



自分が恥ずかしくて、情けなくて、


嫌になって、嫌いになって。



もう、散々だった。



今までの小さな幸せが、


小さなときめきが、


暗闇になって襲い掛かってくるようだった。



私の本能が"追い掛けるな"と


心にブレーキを掛けてくるが、


ほんの少しなら、と思う自分がいる。



だから、怖い。


怖いんだ。



君を見る度、戦慄が走るんだ。



あの時の苦しみが、


悲しみが、痛みがよみがえるんだ……………。