「あなたは、あの事件の犯人であるメアリ・ナイトの親友だったんですよね?」

「……周りからはそう思われていました。でも私は彼女を恐れていました。彼女の笑い方が普通ではなかったから、私たちとは違うと何となく思っていました」

ジュリアはそっと右胸の近くに触れる。あの事件で追った傷痕はまだ残っている。そして、ジュリアをあの時の恐怖から解放してはくれないのだ。

数年前、一人の女子高生が親友やクラスメートを殺害し、自殺するという恐ろしい事件が起きた。ジュリアはその被害者だ。



事件が起こったのは、数年前の夏のこと。当時、ジュリアは夏休みを満喫しているところだった。

「ジュリア、進路どうするか決まった〜?」

「う〜ん。もうすぐ三年生だけど、まだ悩んでて……。でも都会に行きたい!」

「ああ〜、わかる!ロンドンで優雅に紅茶を飲みたいよね〜」

ジュリアは友達数人と今日は遊んでいた。一緒に新しくできたショッピングモールへ行き、楽しい時間を過ごす。