「和―泉っ」


声に気が付いて振り返ると

平沢さんが手を挙げる。

テーブルを挟んだ向かい側には水川さん。


「何すか、俺仕事中なんですけど」


ミコちゃんと付き合い始めて2年。

俺はようやく高校生になってバイトができる歳になり

居酒屋のフロアでセッティングをしていた。

平日の夕方、まだほとんど来客がない。


「いや、俺達客だから」


「見りゃ分かるし」


2人のテーブルの上にはビールとオレンジジュース

枝豆や唐揚げ、シーザーサラダが置いてある。