「その調子だと、何かあったみたいね」


「えっ!」


火照(ほて)った頬を両手で冷やしていると

真尋ちゃんが右手で頬杖をついて

小指で自分の唇をなぞり、ニヤリと笑う。

その仕草を見て昨日のことを思い出し

背中の下の方から何かが駆け上がってくるのを感じた。


『ミコちゃん』


親指であたしの唇をなぞる和泉くん。

少し潤んだ瞳が近付いてきて、思わずギュッと目を閉じた。