「そんなの、連絡先分かったんだし、ガンガンアピっちゃえばいいんじゃないの?」


事も無げに言う真尋ちゃん。


「でも嫌われないかな?」


「うーん……。先輩のこと分からないから何とも言えないけど…。でも、何か言われて無下(むげ)にする人じゃないでしょ。勇気出しなさいよ」


勇気……。


「でも、真尋ちゃんだって茂木くんのこと…」


「……っ。それはそれ、これはこれっ!」


慌てて横を向いて唇を尖らせる彼女を見て

好きな人のことで一喜一憂(いっきいちゆう)するのは仕方がないことだと思った。