「暑いね〜」

「ね、暑いよね〜」

あの日は桃華と一緒に帰っていた。

「あ、忘れ物しちゃった!
桃華先帰ってて」

「わかった〜」

最悪だ。

明日提出の宿題忘れるとかついてないな〜。

あ、教室の電気ついてるじゃん。

話し声も聞こえる。

誰かいる?

扉を開けようとした時、

「美月ってさ、目は可愛いのにそこから下はブスだよねw」

え、私の事…?

酷い…

みんな、そんなことも思ってたの?

「ひっど〜。
ま、確かに分かるけどw
特に、エラ張ってるところと笑う時に歯すげー見える所がブスだよなw」

この声は、吉良くん。

私が好きだった人。

いつも、笑顔で話しかけてくれたのに

そんなこと思ってたんだ…。

「それ〜」

それ以上は聞けなくなって、その場から立ち去った。

あーあ、明日怒られるな…

怒られるし、失恋するし、最悪だよ…