「〜であるから…」

先生の退屈な授業は苦痛。

教科書を読んでいるだけ、だし。

「ねぇ、なんでいつもマスクつけてんの?」

こそっと話しかけてくるチャラ男。

「…。」

今授業中なんだから話せるわけないでしょ!

「無視したら無理やりにでもマスク外すよ?」

?!

なんて言う脅しだ…

「…ね「花粉症だから」

「花粉症だからいつもマスクつけてるの。
わかった?」

わかったらもう話しかけてこないで。

成績下がったらどうしてくれるんだ。

「それさぁ、嘘でしょ」

「え、」

なんなの?

「だって、花粉症なら目痒くなったり咳出たりするのに全くじゃん」

それは…

「…薬飲んでるから」

「嘘だね、変な間空いてるよ?
美月ちゃんって、意外と嘘下手なんだね」

なっ、うるさいな。

「なんなの?」

「なんで、頑なにマスク外すの嫌なの?」

それは…

「言う必要ないでしょ
吉岡くんには、関係ないじゃない」

あ、冷たく言いすぎた…

「ごめん」

やっぱりそうなるよね…

口に出すのは躊躇したから心の中で

『ごめん』と謝っておいた。