「多分…」

“美月を傷つけたと思ったんじゃない?”

「え?」

「あいつ、女遊びもやめたらしいよ。
なんか、大切な人を傷つけたからって。」

そう付け加えた。

「でも、あの時ちゃんと否定したよ?」

ちゃんと。

「否定されても、確実に傷つけたって分かってるでしょ」

そんな…

私が西岡くんを傷つけてた?

「ちょっと行ってくる!」

「行ってらっしゃ〜い」

『あいつが、美月を変えてくれるかも…ね。』

屋上で、少し寂しげな瞳で呟いたことを私は知らなかった。