そのまま授業が続いてあっという間に昼休みになった。
授業中に彼の様子を気にしてなかったと言えば嘘になる。
後ろの席から声をかけられ後ろを振り向くと購買で買ったであろうパンを持っていた。
「今日も屋上で食べるか?」
「うん」
そのまま無言で屋上へと向かっていく。
やっぱり何かあったんだろうと感じ取る。
屋上に着くと彼は壁によりかかりパンの袋を開ける。
それを見ていた私に彼が目線をやるとここに座れと言わんばかりに地面に手を叩く。
隣に座ると会話が出なくてそのまま私もお弁当を広げて食べることにした。
「ねぇ、何かあったの?」
どうしても無言の空気に耐えられなかった私は彼に声をかけた。
彼は別にという言葉以外返してこなかった。
「そ、う」
全くそんな気がしないのはわたしの思い過ごしだろうか。
「あ、そうだ。明日暇だったりするか?」
急に素っ気なかった彼から出た言葉に頷く。
「じゃあ、俺に付き合ってくれないか?」
「いいけど、何に?」
「内緒、教えたら面白くないしね」
そう言って私の口に人差し指を当てる。
その時の彼の顔を放課後まで忘れることが出来ずにいた。
