教室に着くと私の隣の席には瀬戸くんが座っていた。
彼は今日、先生から日直の仕事を任されているため廊下で別々になった。
私が席に着くと瀬戸くんが急にこっちを見て来た。
視線が怖い。
「なに?」
あまりにも小さい声だったから聞こえなかったかもしれない。
「いや、別に。今日なんかイメージまた違うなってね」
瀬戸くんもまた彼のように私のメイクや髪型に気がついたのだろう。
でも、嬉しくはないし彼のように喜んだりという感情もない。
やっぱり彼だからなのかな。
「そうかな?」
誤魔化すような返事をすると瀬戸くんは可愛いねと一言いって席から立った。
稀にサボる癖があるからきっと今日もまた午前からサボる予定なのだろうと思った。
そんなことを考えていると後ろから声がした。
「なに話してたの?瀬戸と」
少し声のトーンがいつもより低い気がした。
「ううん、特にないも話してないよ」
「ふーん」
彼は私の顔を試すように見るとそっかと言って後ろの席に座った。
何か機嫌が悪くなったのかな?
何となくそう感じた。
何か先生に言われたのだろうか、それともめんどくさい仕事を押し付けられたのか。
分からないけど、だからと言って聞くことも出来なかった。
