私たちは帰り道を一緒に歩いていた。
家はそう遠くないらしくいつでも遊びに来ていいと誘われた。
「なぁ、花火好きか?」
「え?」
急に話しかけられて戸惑ってしまった。
「好きだけど」
「俺と花火大会一緒に見に行かねぇか?」
「でも花火大会なんてまだまだ先じゃない?」
「気が早いかもだけどさ。誰かに誘われる前に約束しておきたくて」
そう言って彼の足取りが早くなる。
「花火大会一緒いきたい!」
花火大会なんて友達と数回行ったくらいしか記憶になかった。
花火見るより屋台に目がいくからなかなかちゃんと花火見たこと無かったっけ。
男の子と行くことなんてないから余計緊張しちゃうな。
まだまだ先の話なのに浴衣着いてこうかとか髪型どうしようとかそんな事ばかり考えてしまう。
「んじゃさ、約束な」
そう言って出てきた小指。
子供の頃の約束のように指切りをしてくる彼に私に笑みがこぼれる。
そういう所は本当にちっとも変わらないんだなって。
そんなこと言ったら彼はどういう反応をするだろうか。
彼のことを考えると楽しいしこっちまで嬉しい気持ちになる。
この感情って恋だったりするのかな。
