授業が終わった後に私は自分の担当になった委員会の仕事で保健室に来ていた。
保健室はびっくりするほどに静かで先生も居ないようだった。
消毒の匂いが鼻に当たる。
「誰も居ないみたいだし、少し座っていようかな」
ベットが空いていたので座ろうと思ったその時、見知った顔がそこに居た。
「瀬戸くん」
小さな声だったので起きなかったが少し焦る。
いつもは顔を合わせられなくてあんまり顔を見たこと無かったけど瀬戸くん結構整った顔をしているんだ。
長いまつ毛にサラサラな髪の毛それに髪の毛で隠れていたピアスが見えている。
よく見ると首元にホクロがあるんだ。
「寝てるときれい」
そんなことを口走ってしまっていると後ろから伸ばされた手に気が付かなかった。
「ふーん、寝てると綺麗って褒め言葉?」
私が彼の方に倒された形になり、私たちの距離は一瞬で縮まった。
「離して」
青い瞳が私の目を取られているし私も視線を
逸らせない。
何故か麻痺したように全てが動かなくなってしまっていた。
「自分から離れないとこのままキスしちゃうけど?」
そう言ってすぐに動こうとするけど彼の力が強く離してくれない。
彼の顔なんてまじまじ見ているからこんなことになってしまったんだ。
「お願い、離して!」
そう言って目を瞑ると彼は簡単に手を離してくれた。
「え?」
簡単に話してくれるとは思わなくて思わず声が出る。
「アイツがお前に嫌なことすんなって言ったろ。まぁ、それもそうかなって思ってさ」
そう言って彼はベットから立ち上がる。
「まぁ、お前のことは諦めないつもりだけどね?」
そう言って悪い顔をするけどそんなに怖い感じはしなかった。
彼はそのまま保健室を後にして私一人取り残された。
いきなり力が抜けたのかそのままベットに倒れ込む。
「あああ」
なんか心臓がドキドキって言うよりかはバクバク下っていう感じ。
「変なの」
ベットには彼がいつも付けている香水の匂いが微かにしていた。
