放課後みんなが帰りの支度を済ませ半分は教室に残り友達と会話を楽しむ。
大体の生徒は部活に勤しんだりするけど私は別の学校に居た時に紹介してもらったバイトに通っていて正直、部活をする暇がない。
そう言えば部活の話とかしたこと無かったけど彼は部活してるんだろうか。
あと時は瀬戸くんに呼ばれて助けに来てくれてその後一緒に帰ってくれたけど。
後ろの席に目を向けるとスマホをいじっている彼の姿。
「どうした?」
私の視線に気づいた彼は不思議そうな顔を浮かべてこちらを見やる。
「これから帰るのかなって」
「いや、実は先輩に今からでもいいからバスケ部に入らないかって誘われて、何度も頼まれるから今日見学行くところ」
小さい頃から彼は運動神経が良かった。
小学校の運動会だって彼は目立っていていつも1番を取っていた。
それから女の子達からモテるようになって告白されることが増えていったんだけ。
今でもモテてるのかな。
それとももう彼女とか居たりして。
高校生になったら恋人が普通に居たとしてもおかしくないもんね。
「暇だったら優実も来る?」
そう言って彼は席を立ち上がる。
「行きたい」
これ程、今日バイトがなくて良かったと思った日はない。
とにかく彼の傍に居たいという気持ちが溢れる。
私は背の高い彼の背中を追っていた。
