これは本気でキミに恋をした物語。
私は7歳の頃から弱虫という理由でいじめを受けていた。
「お前、いつになったら泣かないようになるんだよ」
いじめをしてくるリーダーの瀬戸くん。
瀬戸くんはクラスで人気者でもありワルとつるんでいるという噂もあった。
そんな噂から近づかないようにしていた私に瀬戸くんは目をつけた。
暴言はもちろんのこと、加えて暴力までしてくる。
他の男子も瀬戸くんにつられるように暴力をしてくる。
「お前、消えろよ」
そう言いながら私に殴りかかる。
「何してんだよ」
私の目の前に現れたのは同じクラスの弘くん。
私の事を唯一分かってくれる強くて優しい男の子。
彼が来るといじめグループたちは茶化すように逃げていく。
「大丈夫か?」
彼は冷やしてあったハンカチを私のほっぺたに当てた。
「いた」
傷が痛んだのを我慢できなかった私は声に出てしまった。
「痛むのか?」
服もボロボロだったし顔も傷だらけなはずだ。
心配そうに私の顔を覗き込む彼の顔を私は真っ直ぐ見れなかった。
だって今の私きっと酷い顔をしている。
「ハンカチありがとう。弘くん」
「何かあったらさ、いつでも俺を呼びなよ。絶対駆けつけるから」
7歳とは思えないほど大人びている彼に少しドキドキしていた。
「約束な?」
そう言って出してくる小指に私の小指を絡ませると指切りをしてきた。
「うん」
その時は返事しか出来なかったけど嬉しくて仕方がなかった。