目の前に侑斗の端正な顔が現れ、梨乃は視線を揺らし口ごもる。
「駅前でタクシーに乗ろう。あ、家の近くの店でワインでも買って、ふたりで飲み直すか?」
侑斗は梨乃の背中を押しながら、駅に向かって再び歩き出す。
「ワインならセラーにたくさんありましたけど、また買うんですか?……もったい」
もったいないと続けそうになり、梨乃ははっと口を閉じる。侑斗の生活にそんな言葉は似合わない。
つつましい生活を送っている自分とは違うのだと、梨乃は自分に言い聞かせる。
「あ、でも。侑斗さんの家の近くには素敵なお店がたくさんあって楽しそうですね。私にはなじみがないからよくわからないけど、外から眺めるだけでもワクワクします」
うわずった声で顔を上げると、侑斗の柔らかな視線と絡み合った。
背中に置かれた侑斗の手がいっそう熱くなったようで、梨乃の頬も同じくらい熱を帯びた。
「俺の家は、梨乃の家だ」
「……え、でも」
侑斗のきっぱりとした口調に、梨乃は戸惑った。
単なる居候の身で自分の家だとはどうしても思えない。
「駅前でタクシーに乗ろう。あ、家の近くの店でワインでも買って、ふたりで飲み直すか?」
侑斗は梨乃の背中を押しながら、駅に向かって再び歩き出す。
「ワインならセラーにたくさんありましたけど、また買うんですか?……もったい」
もったいないと続けそうになり、梨乃ははっと口を閉じる。侑斗の生活にそんな言葉は似合わない。
つつましい生活を送っている自分とは違うのだと、梨乃は自分に言い聞かせる。
「あ、でも。侑斗さんの家の近くには素敵なお店がたくさんあって楽しそうですね。私にはなじみがないからよくわからないけど、外から眺めるだけでもワクワクします」
うわずった声で顔を上げると、侑斗の柔らかな視線と絡み合った。
背中に置かれた侑斗の手がいっそう熱くなったようで、梨乃の頬も同じくらい熱を帯びた。
「俺の家は、梨乃の家だ」
「……え、でも」
侑斗のきっぱりとした口調に、梨乃は戸惑った。
単なる居候の身で自分の家だとはどうしても思えない。

