「……あ、あの」 「目が覚めたか? 気分はどうだ」 梨乃はぼんやりする意識の中、目の前の侑斗の姿に驚いた。 「あの、どうして侑斗さんがいるの……」 梨乃は混乱しかすれた声で問いかけるが、肩に激痛が走り顔をしかめた。 「痛むか? 薬がすぐに効くらしいから、我慢しろ」 「薬……」 梨乃は自分がベッドに横になっていると気づいた。 腕には点滴の針が刺さり、侑斗はベッドの傍らの椅子に腰かけ梨乃を心配そうに見つめている。 痛みに耐えながら視線を動かせばここは病室のようで、梨乃はますます混乱した。