「え、どうして……せっかくのスイートルームなのに」
「スイートくらいいつでも泊めてやるから」
侑斗は梨乃の体を引き離し、切羽詰まった声で梨乃を説得し始める。
これまでになく慌てている様子に、梨乃は呆然として黙り込み、首を横に振る。
「あー、俺はなんでこんなときに……」
梨乃の両肩に手を乗せて、侑斗はがっくりうなだれた。
その後も「ちきしょー」などと御曹司には似合わない言葉を口にし、悔しそうに肩を震わせている。
「あの、いったいどうしたんですか? なにか一大事でも……?」
尋常ではないなにかが起きたのだろうかと不安になった梨乃は、おそるおそる侑斗の顔を覗き込んだ。
すると、侑斗はむくっと顔を上げ「指輪……」とぽつりつぶやいた。
「指輪って、もしかして婚約指輪ですか?」
梨乃はこれまでの話の流れを考え、聞いてみた。
聞きながら照れて顔もあっという間に赤くなる。
心臓の鼓動が大きくなったのはそれを期待しているからに違いない。
「ん……まさにそれ。婚約指輪」
侑斗は力なく笑うと、真っ赤になった梨乃の頬を両手で包み込み額に自分の額を合わせた。
「スイートくらいいつでも泊めてやるから」
侑斗は梨乃の体を引き離し、切羽詰まった声で梨乃を説得し始める。
これまでになく慌てている様子に、梨乃は呆然として黙り込み、首を横に振る。
「あー、俺はなんでこんなときに……」
梨乃の両肩に手を乗せて、侑斗はがっくりうなだれた。
その後も「ちきしょー」などと御曹司には似合わない言葉を口にし、悔しそうに肩を震わせている。
「あの、いったいどうしたんですか? なにか一大事でも……?」
尋常ではないなにかが起きたのだろうかと不安になった梨乃は、おそるおそる侑斗の顔を覗き込んだ。
すると、侑斗はむくっと顔を上げ「指輪……」とぽつりつぶやいた。
「指輪って、もしかして婚約指輪ですか?」
梨乃はこれまでの話の流れを考え、聞いてみた。
聞きながら照れて顔もあっという間に赤くなる。
心臓の鼓動が大きくなったのはそれを期待しているからに違いない。
「ん……まさにそれ。婚約指輪」
侑斗は力なく笑うと、真っ赤になった梨乃の頬を両手で包み込み額に自分の額を合わせた。

