溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~

梨乃の口から次々出てくる言葉に、侑斗は気おされ口ごもった。
梨乃は仕事となるとあっという間にのめり込み人が変わったように饒舌になる。
状況の一片を軽く説明しただけだというのに、的確に判断し策を練り始めた。
今も「国会の会期が延長された場合、日取りはどうなるんだろう」と侑斗の膝の上で真剣に悩んでいる。
仕事となると別人のように表情も口ぶりも変わる梨乃を、侑斗は愛しげに見つめた。

「この間の資料なら俺の部屋にあるからあとでまた見せるよ。それと、村野からの意見はない。それどころか明後日の視察は村野が藍香さんをそそのかして決まったことらしい。あの女、俺が相手にしないからって嫌がらせを仕掛けて来た」
「嫌がらせって、まさか、そこまで……?」
「そこまでするのがあの女なんだよ」
 
侑斗は肩を落とし、口を開いた。