溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~

案内するべきチャペルや宴会場も空いているのかどうかわからない。
それに警備の問題もある。
マスコミへの対応も加わるとなれば従業員の負担も跳ね上がる。
ほんの一瞬考えただけでも気が重い。

「せめて一週間くらい調整する時間が欲しいですけどね……」

思わず愚痴を口にしながらも、梨乃明日以降のチャペルの利用状況の確認や試食してもらう料理の内容をすぐにでも料理長と相談しなければと、段取りを練り始めた。

「見学時間はどの程度を考えたらいいんでしょうか。ドレスの試着はされませんよね……。あ、もしかしたら披露宴でのピアノ演奏を考えてらっしゃるかも。だったら藍香さんが普段弾いているピアノを調べて同じものをご用意したほうがいいですね。それと……沢渡大臣は瀬戸内が地盤ですからお料理の食材は地元特産のものをメインにして……引き出物はなにがいいか後援会の方にアドバイスをいただきましょう。あ、この間侑斗さんが徹夜で作り上げた企画書をもう一度見せてもらっていいですか? かなり細かい提案までしていましたよね。村野さんから参考になるような意見とか、ありましたか?」
「え、ああ……」