「ん……。とてつもなく面倒。ムカついて仕方がないから抱きしめさせろ」
「あの……」
侑斗は膝の上に梨乃を乗せ、細い体をきつく抱きしめた。
いきなりぎゅぎゅっと抱きしめられ、肺から空気が抜けた梨乃は、けほけほと大きくむせる。
「悪い。つい力が入ってしまった」
「ついって……けほっ。いったいなにが? 藍香さんたちの件ですよね。なにか動きがあったんですか?」
呼吸を整えながら顔を上げ、梨乃は尋ねた。
「ああ、面倒くさいからここで決めてやる」
むせた梨乃の背中を優しく撫でながら、侑斗は自分に言い聞かせるようにそう言って梨乃の体をそっと引き離した。
「明後日、新郎新婦が、白石ホテルに来るそうだ。婚約が明るみに出たからいっそ堂々と結婚式会場を自分たちで決めたいって藍香さんがはしゃいでいるらしい」
「はしゃいでるって……わからなくもないですけど。だけど明後日ですか? それはいきなりですね」
梨乃は侑斗の膝の上で姿勢を正し、表情を引き締めた。
会場候補の視察。
準備する間もなくいきなり受け入れるのは難しい。
ホテルの営業の傍ら案内をするのも大変だ。
「あの……」
侑斗は膝の上に梨乃を乗せ、細い体をきつく抱きしめた。
いきなりぎゅぎゅっと抱きしめられ、肺から空気が抜けた梨乃は、けほけほと大きくむせる。
「悪い。つい力が入ってしまった」
「ついって……けほっ。いったいなにが? 藍香さんたちの件ですよね。なにか動きがあったんですか?」
呼吸を整えながら顔を上げ、梨乃は尋ねた。
「ああ、面倒くさいからここで決めてやる」
むせた梨乃の背中を優しく撫でながら、侑斗は自分に言い聞かせるようにそう言って梨乃の体をそっと引き離した。
「明後日、新郎新婦が、白石ホテルに来るそうだ。婚約が明るみに出たからいっそ堂々と結婚式会場を自分たちで決めたいって藍香さんがはしゃいでいるらしい」
「はしゃいでるって……わからなくもないですけど。だけど明後日ですか? それはいきなりですね」
梨乃は侑斗の膝の上で姿勢を正し、表情を引き締めた。
会場候補の視察。
準備する間もなくいきなり受け入れるのは難しい。
ホテルの営業の傍ら案内をするのも大変だ。

