「あの、侑斗さんの願いがなんなのかわかりませんが、今晩直接聞いて叶えられるように私も協力します。あの、ほかになにもなければそろそろ帰っていただけないかと……」
ロビーのガラス扉の向こうから見ているコンシェルジュが気になり、梨乃は早口で伝えた。
「な……なに、偉そうに。たまたま侑斗さんの婚約者になれたからって調子にのらないで」
「別にそんなつもりじゃ……」
これまでおとなしく村野の話を聞いていた梨乃にいきなり帰れと言われ、村野は表情を消し目を細めた。
「侑斗さんはね、本家の生まれじゃないだけでいとこの影に隠れてきた。本当にもったいないわ。あなたに侑斗さんのその悔しさがわかる? わからないわよね、だって生きる世界が違うもの」
これまで以上に強い語気で、村野は言葉を連ねる。
「世界……」
「社長になりたい侑斗さんのために、あなたはなにができるの? 侑斗さんになんのメリットもなければこれからの希望もない。そうでしょ」
「メリット、っていったい」
「侑斗さんを社長にしてあげられる力よ」
村野は即座に答えた。
ロビーのガラス扉の向こうから見ているコンシェルジュが気になり、梨乃は早口で伝えた。
「な……なに、偉そうに。たまたま侑斗さんの婚約者になれたからって調子にのらないで」
「別にそんなつもりじゃ……」
これまでおとなしく村野の話を聞いていた梨乃にいきなり帰れと言われ、村野は表情を消し目を細めた。
「侑斗さんはね、本家の生まれじゃないだけでいとこの影に隠れてきた。本当にもったいないわ。あなたに侑斗さんのその悔しさがわかる? わからないわよね、だって生きる世界が違うもの」
これまで以上に強い語気で、村野は言葉を連ねる。
「世界……」
「社長になりたい侑斗さんのために、あなたはなにができるの? 侑斗さんになんのメリットもなければこれからの希望もない。そうでしょ」
「メリット、っていったい」
「侑斗さんを社長にしてあげられる力よ」
村野は即座に答えた。

