溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~

ふと頭に浮かんだのは、自分の立場にも生まれにも自信に満ちた村野の姿だった。

その日の夜、梨乃は侑斗が手掛けている仕事について話を聞いた。
侑斗は同居を始めて以来帰りが遅いだけでなく自宅に仕事を持ち帰ることも多く、出張で家を空ける夜も何度かあった。

「それは前にも言ったけど、梨乃に手を出さないようにわざとそうしてたんだ」

言いづらそうに顔をしかめ、侑斗は梨乃の体を抱き寄せた。

「あ、あの、まだ話は終わってなくて。ちゃんと全部話してくれるって言ってましたよね」

梨乃は目の前の侑斗の胸に両手を突き、小さく距離を取った。
軽い夕食の後入浴を済ませ、侑斗に待ちくたびれたとばかりにベッドに引きずり込まれた。
初めて侑斗に抱かれて以来、梨乃は毎晩侑斗のベッドで眠っている。
ベッドに入ると同時に侑斗に抱き込まれそのまま肌を重ねるのだが、今夜はその前に事情をすべて話してもらう約束だ。
もちろん村野との関わりも教えてもらうことになっている。