「ああ。フランスからスケジュールが送られてきたらしい。人気のショコラティエの初来日だから早速マスコミを呼んで大々的に宣伝するそうだ」
「大々的にって、そんな大げさな」
チョコレートを前面に出した特別な企画だが、クリスマスフェア自体は毎年多くのホテルが開催している定例企画だ。
例年は古くから付き合いがある馴染みの記者を呼ぶ程度でそれほど大げさなものではない。
「木下部長の思いつきのおかげでどんどん大きくなっていくような気が……」
「とにかく行くぞ」
侑斗は腕時計をちらりと見ながらつぶやいた。
「あ、はい」
梨乃はテーブルの上を手早く片付けタブレットといくつかの資料を手に取ると、足早に侑斗のあとを追った。
社長室がある29階を訪れる機会はめったになく、梨乃はエレベーターを降りた途端慣れない冷ややかな空気に息を詰めた。
毛足の短いカーペットをそろそろと歩く梨乃に、侑斗は苦笑する。
「ここは初めてか?」
「いえ、二、三度ありますけど秘書室に書類を届ける程度で社長と直接お会いするのは初めてです」
「大々的にって、そんな大げさな」
チョコレートを前面に出した特別な企画だが、クリスマスフェア自体は毎年多くのホテルが開催している定例企画だ。
例年は古くから付き合いがある馴染みの記者を呼ぶ程度でそれほど大げさなものではない。
「木下部長の思いつきのおかげでどんどん大きくなっていくような気が……」
「とにかく行くぞ」
侑斗は腕時計をちらりと見ながらつぶやいた。
「あ、はい」
梨乃はテーブルの上を手早く片付けタブレットといくつかの資料を手に取ると、足早に侑斗のあとを追った。
社長室がある29階を訪れる機会はめったになく、梨乃はエレベーターを降りた途端慣れない冷ややかな空気に息を詰めた。
毛足の短いカーペットをそろそろと歩く梨乃に、侑斗は苦笑する。
「ここは初めてか?」
「いえ、二、三度ありますけど秘書室に書類を届ける程度で社長と直接お会いするのは初めてです」

