溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~

「我慢しないというのは、こういうことだ」

侑斗はそうつぶやき、戸惑う梨乃を落ち着かせるように唇を重ねた。
キャミソール越しに届く侑斗の手の温もりに声をあげそうになる。
絡めあう舌の動きも侑斗が胸を揉みしだく動きも、気持ちいい。
初めて感じるその心地よさは、きっと相手が侑斗だからだろうと、初めてなりに梨乃は感じていた。
梨乃はおずおずと侑斗の背中に腕を回し互いの体を近づけた。

「梨乃っ」

侑斗は梨乃に引き寄せられた反動で一瞬動きを止めたが、次の瞬間いっそう激しく梨乃の唇を貪った。
それまで梨乃の胸に置かれていた手が力強く動き、次第に脚へと向かった……。
経験はなくともこれから起こることは容易に想像できる。
梨乃は期待と不安できゅっと目を閉じた。
そのとき。
ソファの片隅に放り出されていた梨乃のバッグからスマホの着信音が聞こえた。

「あ……」

テンポよく元気なメロディーは、子どもが大好きなアニメの主題歌だ。
侑斗とのキスに夢中になっていた梨乃は、ハッとしたように目を見開き、侑斗と視線を合わせた。

「この展開、前にもあったよな……」
「……ち、千紗です。あ、あの、同期で……」