溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~

「……もしも、もしも梨乃がまだあの夜の恐怖を忘れてなくても、これ以上は待てない。待つつもりもないくらい、梨乃が欲しい。不安なら俺に全部任せろ」
「まかせろ……」

梨乃は侑斗の言葉をぼんやりと繰り返した

「心配しなくていい。梨乃を傷つけるようなことはしないし、俺にしがみついてろ」
「……はい」

梨乃は侑斗の背中に自分から腕を回し、夢中でしがみついた。
恥ずかしくて体は熱く、これからどうすればいいのかもわからない。
けれど体は心と逆の動きを見せる。
吐きそうになるほど不安でたまらないが、侑斗から離れたくない。
侑斗ともっと深いところでつながりたい。

「私も……侑斗さんが好き」
 
確信した途端、思いが口を突いて出た。
ふたりはお互いの体に腕を回し、貪るようにキスを繰り返す。
梨乃は両手を伸ばして侑斗の柔らかな髪の間に指を差し込んだ。

「梨乃……」

侑斗の熱っぽい声が響いたと同時に、梨乃の体がふわりと浮いた。

「え……」

閉じていた目を慌てて開くと、熱を帯びた侑斗の瞳が梨乃を見つめていた。

「ベッドまですぐだからちゃんとつかまってろ」